筋トレvs有酸素運動⑤

1-4.性ホルモンの材料『DHEA』の増加 

 

『DHEA』は、のちにテストステロンやエストロゲンなどの性ホルモンに変わることから、「マザーホルモン」との呼び名もある男性ホルモンの一種です。

さらにDHEAは、老化を予防するために重要なはたらきを担っています。男性においては、このDHEAが多い人ほど長寿であることから、成長ホルモンと並んで「若返りホルモン」と呼ばれるようになりました。

具体的なDHEAのはたらきには、以下のようなものがあります。

 

・性ホルモンに変わり、女性らしさ、男性らしさをつくる

・古くなった細胞や傷付いた細胞を修復して、老化を防ぐ

ミトコンドリアを活性化し、エネルギーを多く生み出す

 

このことから分かるように、DHEAは男性ホルモンですが、男性だけでなく女性においても大切なのです。

また、DHEAも成長ホルモンと同じように、20代をピークに分泌量が減少し、80代にはほとんど分泌されなくなります。加齢によるDHEAの減少は性ホルモンの材料不足を意味し、男女ともに加齢による諸症状を招きます。例えば、活力や精力が減る、不眠や疲れやすさを感じる、更年期障害不妊症などを発症するといった現象が出やすくなるのです。

このような症状を引き起こさないために、DHEAをより多く分泌させるには、無酸素運動が適しています。重要なのは、“大きな筋肉群に高強度の負荷を与える”こと。

なかでも、最も効率よくDHEAの分泌を促すことができる筋トレは、下半身の大きな筋肉群に一度に多く刺激を与える“スクワット”だといえます。

 

 

 

2.ランニングなどの有酸素運動の特徴 

 

有酸素運動とは、歩く、走る、泳ぐなど、呼吸によって酸素を体内に取り込むことで1分以上継続して行うことができる、負荷の小さい運動を指します。運動をする際のエネルギー源は血中の脂質や糖質であり、継続的な有酸素運動は、身体に貯蓄している脂肪を燃焼するためダイエット効果があるのです。

 

筋トレをはじめとする無酸素運動は、運動の負荷やダメージが大きい分、得られる若返り効果はとても素晴らしいとお伝えしました。

“ならば、比較的、楽に取り組める有酸素運動は、無酸素運動ほど若返り効果がないのではないか?”という疑問を持った方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その心配は無用です。筋トレなどの無酸素運動で得られる効果とは異なった、有酸素運動でしか得られない若返り効果があるのです。